森とフィンランド人

最近オーロラ・白夜等で知られるようになった北欧の小国フィンランド。 しかし未だフィンランド人の考え方はよく知られていない。 在フィンランド25年の著者が、フィンランド流の人生観にスポットを当てる。

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フィンランド人サラリーマンの長時間労働をする意味とは?

この夏日本に帰国したとき、銀行に勤める中学時代の友人からショッキングな

言葉を浴びせられた。「君みたいに昼間寝ているような人物には、僕の

気持ちはわからない」。相手の気持ちを尊重しない随分失礼な言い方だ。

日本ではサラリーマンとは夜遅くまで長時間労働する人との定説がある。

労働時間の長い人が偉いとされている。 私も日本のサラリーマン時代、

良く無意味なサービス残業を押し付けられた。


フィンランドでは、長時間労働といえば、少々意味が違っている。幾つかの例を挙げてみよう。

まず毛皮交易センターの例から始めよう。 毛皮産業は、フィンランドにとって

バブル崩壊までは、花形輸出産業だった。世界各国から、毛皮ビジネスに携わる多くの

バイヤーが、オークションが開催される前の数日から2週間、購入予定の商品の検品に

追われていた。私も、日本人バイヤー検品助手兼通訳で働いた経験がある。

フィンランドでは、連続して1週間以上土日関係なく休みなく出勤すると、

休日出勤手当の時間給は1.5倍から2倍に跳ね上がる。 おまけにバイヤーに

よっては夜間、人が少ない時間を見計らって検品する人も多く、そんなバイヤー

の検品を手伝う人の夜間特別手当もよかった。そんな事情から、検品の数も

多くしかも夜間にするバイヤーには、助手希望の人が大勢押し掛けた。

フィンランド人も以外に金に細かい所があると感じた。


次に、大手銀行大企業顧客センターでの話。当時フィンランドでは、

バブル崩壊前で、対外貿易の決済も盛んに行われていた。私の仕事をした

カンサリス・オサケ銀行(現在ノルデア銀行に合併吸収)でも大企業顧客センター

を設けて、チームを組んで顧客の貿易決済をサポートしていた。 決済書類

も多く、到底所定の勤務時間では間に合わない。仕事を覚えるため、積極的に

早朝出勤または残業する人もいたし、困っている他のチームを助ける人も

いた。部署内では反対に、従業員の仕事への積極的な関与に感謝するために、

合同の飲み会やワインが当たる抽選会など、レクレーション的催し物も

多く開かれていた。今でも当時のメンバーとは付き合いが続いている。


以上の話から、フィンランド人が長時間労働に応じるのは、自分の

モチベーションが向上する時や困っている同僚を助ける時である。日本みたいに

だらだら生産性の薄い接待などには、フィンランド人サラリーマンは忙殺されずに

済む。「サラリーマン我が道をゆく」である。続く


テーマ:北欧 - ジャンル:海外情報

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